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DSS研究所・インフォメーション研究会はPOSシステムと流通市場研究を専門とする研究機関です。

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提 言  advance

1)生活者の購買行動の変化と企業のコモディティ・トラップ 
2)多様化する顧客ニーズにどのように応えるか  
3)利益至上主義からの脱却と顧客価値観の認識   

生活者の購買行動の変化と

企業のコモディティ・トラップ

 オープン・サービス・イノベーションの導入とマネジメントプロセスの再構築

                         DSS研究所  飯塚 隆司

  1.生活者の変化とオープン・サービス・イノベーション

  生活者の購買行動の変化と個性化にまつわる企業の戦略は大きな転換点に至った。前回、消費者の購買行動は低迷していると解説した。この背景にあるものは、勤労者世帯主の実質収入の減少傾向である。

平成271~5月は対前年同月比で減少、その後6月、7月はボーナスシーズンと重なって若干増加傾向を示したものの、9月〜翌平成282月までは景気の低迷や消費者の購買行動の慎重さが重なって減少した。一方、実質支出は4月、5月と7月、8月には対前年同月比で上昇したもののそれ以外の月では対前年同月比でいずれも減少しており、消費者の購買意欲は低迷し続けている。[1] 

前回もこの購買行動の変化と低迷の要因は指摘したが、この背景には不安定な経済情勢の中で、生活感の好転しない状況が大きく反映されている。さらには、消費者の購買傾向は、個性化が進み、価格だけで評価する時代ではなくなった。

ヘンリー・チェスブロウは、その著「オープン・サービス・イノベーション」で、今、市場が直面している課題は、コモディティ・トラップ(コモディティ化の罠)からの脱出であると指摘している。

その序章で、企業は「価格を下げるコモディティ化のプレッシャーから逃れられないため、企業の競合が一段と激しくなっている。インターネットの普及とテクノロジーの進歩で知識と情報の流れが加速すると同時に、製品寿命も短くなった。」「コモディティ化と製品のライフサイクルの短縮という避けられない圧力が組み合わさって、コモディティ・トラップに陥る」[2] と指摘している。

これは商品開発においてのトレンドを作ろうとしても、その商品寿命は短く、すぐに競合メーカーが類似品を開発、または代替品の開発が進み、競争激化が価格競争を激しくしている。企業は常にこの渦の中で走り続けなければならないという「ランニングマシン」のようだとも指摘している。

このような中で「先進国の経済はサービス志向となるにつれ、大多数の企業や業界がサービスへとシフトし始めて、経済活動に占めるモノの割合は減りつつある。」[3] といことを指摘している。

企業は知識集約型へと変化し始はじめており、サービス分野の強化と顧客への商品提供という新しい付加価値の提供を同時に実行することにより、個々の顧客の信頼を獲得しようとする時代に変化しはじめている。顧客の絞り込み、顧客との接点を強化し、サービスの提供が大きなウエイトを占めるようになった。

商品を売るのではなくサービスという付加価値を提供することによって、商品の使用価値を高めるマネジメントへの方向転換が確実に進展している。サービス・イノベーションは、これまでのビジネスにおけるあり方の転換を求めているということである。、

  2.企業の成長戦略は価値共創への挑戦

 企業が成長し続けるためには、これまでのビジネスから戦略転換を図り、サービスの提供を中心にマネジメントを進めることが不可欠である。企業は統廃合による効率化という企業側からの発想でマネジメントを効率化しようとしてきたが、今、求められているのは事業体の分散化、小回りの利く組織に組み換え、個客に対してきめ細かなアプローチができる仕組みを作ることが不可欠になりつつある。

モノを提供する前から、新たな商品に対する提案、情報の提供、付加価値を生活者に発信することからはじまる。

顧客との接点は、商品への関心をいかに引き付け、顧客のニーズにいかに応えるべきか、変化していく生活環境の改善についてのどのような提案が行えるかが課題である。

顧客情報を分析集約することにより、顧客に価値体験を新たなマネジメント戦略に付加し、価値の共創へのプロセスを構築することが課題となっているともいえる。

顧客、サプライヤー、原材料メーカーや物流業者、情報センターなどのサービス企業と提携を強化し、情報の共有、顧客のニーズを取り込んだオープン・サービス・イノベーションへのマネジメント戦略を加速させることが不可欠となってきた。

サプライチェーンマネジメントから顧客を巻き込んだデマンドチェーンいマネジメントへの挑戦が求められる時代となったことを意味している。もし、この戦略を間違えれば、大企業といえども消滅の危機に直面するということである。

インターネット社会の進展により、情報、知識、技術などがグローバル的な拡散が急速に進めており、開発途上国の発展に伴い、情報や技術の習得が急速に進化している。一方、先進国は、多額な借金と格差社会の進展が激しく、低コストで製品を生産できるという効率化志向から、開発途上国依存の経済構造が常態化している。

1 デマンドチェーンマネジメントの概念と価値共創プロセスの構築 

かシ、開発途上国への工場進出は、技術の流失、価格の低下など経済構造にゆがみが生じてきている。 

 開発途上国の生産コストも上昇し始め、かつてのような低価格での部品や製品の確保は難しくなりつつある。一方で力をつけた、開発途上国の企業は、急速に発展し、先進国の産業基盤を揺るがすような力をつけてきている。

 これによって、先行してきた企業の製品の長期的差別化に陰りが見えるようになってきた。言い換えれば、ブランドや品質という製品価値だけでは国際社会で競争できなくなってきている。しかも製品寿命は短縮化が進み、特許による保護の期限を待たずに、新たな発想で代替製品が開発され、これまでの先進国の有力企業は、その場にとどまれば、存続が危ぶまれる環境におかれている。

 こうした混乱の中で、サービスマネジメントの役割がさらに拡大する時代となってきた。

情報、知識、技術を関連企業の中で共有し、顧客にこれまでの価値経験の情報を提供、新たなオープン・サービス・イノベーションに基づいた、ビジネスプロセスの構築が求められている。これは、一企業だけで、顧客のニーズに応える製品開発や製品の提供は対応しきれないといいうことを意味している。

 連携したサービスと顧客の絞り込みこそが、これからの企業としての生き残りをかけた戦略であるといえよう。

    3.新たなサービス・イノベーションへの挑戦

  「サービス・イノベーションは、ビジネスを発展させ、コモディティ化のプレシャーを払いのけるための明確かつ持続可能な手段だ。製品を内部、外部のイノベーションへと変換し、その、プラットフォームを中心に幅広い付加価値サービスをを加えることで企業は容赦ない価格競争から抜け出せる。」[4] この一例として、チェスブロウはアップル社のiPhoneの開発コンセプトを取り上げている。

iPhoneは単なる端末機器としての機能ではなく、顧客の多様な体験を経験可能とするアプリケーションやサービスを提供するという新たなプラットフォームを開発したことを指摘している。

Amazonの通販システムも、変化する時代の流れの中で、会員制を導入し、原則としてすべての商品を無料配送する仕組みを構築している。例えば、書籍について言えば、これまで、書店発注で顧客が書籍入手するまでに10日ほどかかった日数(今は23日くらいのまで短縮されているようであるが)を、発注から配送までの時間短縮(発注した翌日には配送される)のほか、Amazonの受注から配送までの経過をいつでも確認できるように、メール配信して顧客との接点を切らさないような仕組みを構築、使用後の顧客の声の収集など、きめ細かなサービス体制を作り上げている。

書籍の取り扱いにとどまらず、玩具、電子機器、工具、ソフトウェア、台所用品など生活提案のプラットフォームを拡大し、ポジテブなキャッシュフローによる経営の効率化を実現している。商品を販売している企業もこのプラットフォームに参画することにより、顧客にとっての利便性と選択肢の拡大を進めている。

最近、我が国でも、顧客の購買行動に合わせ、流通業界でのリアル店舗の挑戦として、オムニチャンネルへの参入がみられるが、まだ、そのプロセスは、既存の企業プロセスの中にネットビジネスを混在させた感が免れない。これに挑戦しているのが、TSUTAYAの新業態開発への取り組みである。

社長の増田宗昭氏は、「『価格』や『品ぞろえ』ではネットが勝つ。商品の『レコメンド(推奨)』は購入履歴が残るネットとにはかなわない」。それに対して『居心地』、『受け取り』、『コミュニケーション』では、リアル店舗の優位性を強調している。[5] その実践として カルチャア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が推進する公立図書館の運営、東京・代官山T-SIT、蔦谷家電(東京・双子玉川)、湘南T-SIT(藤沢市)などの新業態開発がある。

店舗コンセプトは、自社売場もテナントもシームレスで店舗レイアウトが行われており、店舗内にはカテゴリー別陳列ではなく「こと」陳列が強調されている。例えば、キッズ書籍売場とキッズ雑貨や園芸書籍と園芸用品が同じスペースの中に混在して陳列されている。

また、店舗内には飲食店や休憩ラウンジが広く取られており、顧客は自由にこの施設を利用してくつろげる場所が提供されている。大規模店舗などにおかれている数人が休息できる狭いスペースとは規模が異なる。しかも、百貨店閉店時代にあえて大阪で百貨店を開発している。生活密着型百貨店というコンセプトのようであるが、ここにはファッションを主流とした百貨店から、家庭、生活空間を提案する新たなコンセプトで開発しようとしている。

いずれにしても、リアル店舗ビジネスを、サービスビジネスとして位置づけ、店舗内ではモノを売るというコンセプトより、サービスを提供し、快適な空間を提案するというコンセプトがみられる。その基本は、各店舗内の売り場に、販売店員ではなく、そのカテゴリー分野の経験やノウハウを持ったコンシェルジュが配属されており、顧客の相談や提案に対応している。結果として購買行動に誘導するという仕組みを作り上げている。

チェスブロウは、「製品中心の企業では、サービス部門はサポート機能として使われることが多い。何らかのサービスは必要だが、市場の成功と失敗の分かれ道にはならないと考えられているからだ。サービス中心の企業では、サービス部門は市場のライバルに勝つために必要不可欠な存在だ。」[6] とサービスマネジメントの役割りを位置付けている。

  4.サービスイノベーションシステム構築と統合

サービスとは一様ではない、サービスは生産と消費が同時に行われ、無形のものであり、サービスを提供した段階で消滅する、また顧客の受け取り方も多様であるということは、これまでも提唱してきた。

しかし、サービスを内容を検証してみると、マーケティングの範疇に入るサービスの他に、サービスを提供するプラットフォームの構築、サービスを提供する人材の育成、情報提供サービスのスキルアップ、そして社会、経済に対するサービスの影響力という観点から、サービス・イノベーションを推進することが重要な課題となる。また、こうしたサービスマネジメントは独立して運用されるものではなく、統合されて、顧客に提供されるものであるということだ。

顧客は、店舗にそのサービスのすべてを求めているもので、そのサービスを享受する窓口は一つに集約することを望んでいるということである。

顧客は特定の、個別のサービスを受けるのではなく、常に店舗、商品、サービスとを一体で享受するものである。しかもこうした、顧客に個別対応して空間サービスを充実するためには、企業間の枠を超えた、オープン・トータル・サービスが求められている。

先のテェスブロウは「新たな顧客によって拡大する市場では、規模と範囲の経済性の専門化が進み、企業はグローバルなイノベーション・サービスにおいてすべてを自己完結するのではなく、その一部になることで成功する。」[7] と指摘している。

オープン・サービス・イノベーションは、今後の製造業、小売業にとって、重要なファクターとなる。「顧客はモノを買うのではなく「サービス」を買っている。」[8] と指摘するのは諏訪良武氏であるが、個客は商品を取得する時に、その購買行動の基準となることはその目的として、「交換価値」ではなく「使用価値」と「知覚価値」に対する評価がが基準となる。そのためには、商品知識、情報、開発技術など多くの無形の要因がどれだけ付加価値としてその商品に付加されているかが評価基準となることを注視しなければならない。

2 消費者の購買行動の基準

企業連鎖の中で、情報と技術の共有は、顧客を取り込んだ価値共創へのアプローチの第1歩であり、そのサービスの価値が、商品価値、企業価値に結びついているのであるということを再認識し、サービス・イノベーション・プロセスの構築を行うことが課題となる。

コモディティ・トラップの脱却とは、とりもなおさず、顧客との価値共創のプロセスを構築することであり、顧客の価値体験を通して、サービス・イノベーションを推進することでしかない。


[1] 総務省・家計調査(収支統計)統計調査結果・時系列データ・(2人以上の世帯)平成27

[2] Open services innovation」・ヘンリー・チェスブロウ著・博報堂大学ヒューマンセンタード・オープンイノベーションラボ監修・監訳・阪急コミニュケーションズ刊・2012.12.12 P17-18

[3] Open services innovation」・ヘンリー・チェスブロウ著・博報堂大学ヒューマンセンタード・オープンイノベーションラボ監修・監訳・阪急コミニュケーションズ刊・2012.12.12P19

[4] Open services innovation」・ヘンリー・チェスブロウ著・博報堂大学ヒューマンセンタード・オープンイノベーションラボ監修・監訳・阪急コミニュケーションズ刊・2012.12.12P33

[5] 日経MJ330日・1面・「ネットの勝る「快適」磨く」TSUTAYA増田社長に聞く

[6] Open services innovation」・ヘンリー・チェスブロウ著・博報堂大学ヒューマンセンタード・オープンイノベーションラボ監修・監訳・阪急コミニュケーションズ刊・2012.12.12P147

[7]  「Open services innovation」・ヘンリー・チェスブロウ著・博報堂大学ヒューマンセンタード・オープンイノベーションラボ監修・監訳・阪急コミニュケーションズ刊・2012.12.12P270

[8] 顧客はサービスを買っている・北城恪太郎監修・諏訪良武著・ダイヤモンド社2015



2)多様化する顧客ニーズにどのように応えるか

求められる顧客情報管理システムの再構築

                       DSS研究所 飯塚 隆司

 変化する消費傾向

  今、オムニチャネルという新しい商取引のあり方が話題となっている。若い世代はネットワークを通して、商品知識を取得し、自分のウォンツにマッチした商品を選択・購買している。一方では、熟年世代や高齢者も含めて核家族化が進み、ライフスタイルの個性化が進むことにより買い物行動は多様化している。
  国立社会保障・人口問題研究所のまとめた「日本の世帯数の将来推計」(全国推計)によると「65歳以上の高齢者世帯」は、「1930年には433万世帯」であったが、「2010年には1,620万世帯」に増加するとしており、さらに「2035年には2,0215,000世帯」に増加するのではないかと推計している。また、「ひとり暮らし世帯」においても、全体で
2010年には1,6785,000世帯」であったが「2035年には1,8457,000世帯」[1]に拡大すると予想している。こ
れは2010年の一般世帯総数が5,1842,000世帯であるのに対して、65歳以上の高齢者世帯は2010年には30.7%から2035年には37.7%に拡大するということであり、単身世帯でも32.4%から2035年には34.2%にまで増加する。いずれも3世帯のうち1世帯は高齢者世帯か単身世帯であることを示している。

 このように、高齢者世帯や単身世帯が増加し続けるということは、消費者の購買構造に大きく影響することになる。特に、大都市圏で、単身世帯や高齢化世帯が急増する傾向にあり、消費構造もレトルト食品や外食の比率が増加する傾向にある。家計調査」[2]統計によると、外食と調理食品の利用比率は35歳までが男性で86.1%、女性で75.9%となっており、3559歳では、男性が72.2%、女性が59.2%、60歳以上が男性で52.9%、女性で44.1%となっている。外食や調理食品の消費は高齢世代になるの従って減少する傾向にある。

 現在の消費者の購買傾向は、核家族化と人口減少傾向から、若い世代を中心に消費者の購買傾向に大きな変化が現れていることをうかがわせている。
 しかし、家計調査では第2-4半期(平成2646月)全世帯の消費構造を見ると、消費支出総額のうち食料品が24.3%を占め、構成比も外食が3.0%であり、調理食品は4.8%と構成比が高くなっている。

 この他に住居・光熱費関係はいずれも7.9%と高い比率を占めているが、教養娯楽費が10.、その他消費支出(美容・利用サービス、交際費を中心とした経費等)が20.9%を占めている。

 一時的消費支出だけを見ただけでは、なかなかわかりにくいところがあるが、第3-4半期(平成26年1〜3月)と比較すると消費支出は全体で、実質5.7%減、食料品も4.6%減となり、すべての食費項目で減少している。住居、光熱水道、家具家事用品、被服・履物、保険・医療、交通・通信、娯楽・教養、その他の項目でも軒並み減少しており、消費傾向の減少は急速に進んでいる。
アベノミクスによって、景気回復を期待したが、季節要因もあるが消費税の8%実施は、消費者心理に大きな負担となっていることを示している。

日銀調査の「生活意識に関するアンケート調査」(20149月・第59回)[3]のでは、1年前に比べて景況感が「悪くなった」という回答が、前回の6月調査と比べて8.6ポイント増の31.5%となった[4]としている。毎回、「悪くなった」とする景況感は増加する傾向をたどっている。これに対して「良くなった」と答えたのは11.1%にとどまっている。
いずれにしても、消費者の生活環境は、悪化する傾向にあり、1年後の「悪くなる」と答えた人は31.7%、「良くよくなる」と答えた人は10.9%で、今後も景況感は悪化すると見る傾向が増加している。

一部の企業で賃金引き上げがあるものの圧倒的に多い中小企業など総体的な実質収入減傾向が進んでおり、消費増税や物価上昇と合わせて消費者の支出抑制が顕著に見られるのが現状である。
消費者購買傾向に関して、日経MJは、2014929日の1面で「MJ1000人調査」を発表した。1000人の主婦にアンケート調査をした結果、「物価上昇に対抗して、倹約に倹約を重ねる姿だった。アベノミクスの恩恵は低所得層ほど及ばず主婦たちは来年10月の再増税に備え、財布の紐を固く引き締めている。」という結論だった。[5]

「節約しているもの」では「衣服」が81%となっており、ついで「外食」が78%、「レジャー」が54%と節約志向は高まっている、特に「ケーキなど菓子類」「光熱費」などは、いずれも60%を超えており、主婦の消費傾向は、衣類のカジュアル化、不要不急の消費が極度の絞られる傾向にある。[6] 
光熱費は、当然、電気・ガスなど燃料高騰の影響から節約志向は高くなっている傾向がうかがえる。こうした傾向は今後も続くものと思われ、消費の冷え込みは継続されるものと思われる。購買傾向も、衣料品はカジュアル化、食料品などは、ディスカウント商品の購入が目立つ傾向にあると言える。

  リアル店舗とバーチャル店舗の融合の課題

  このような消費傾向の中で、モノからサービス、特に健康志向が強まっている。三浦展(みうらあつし)[7]は、その著「日本人はこれから何を買うのか?」の中で近年の消費傾向に対して「超おひとり様社会」と定義付け、「一人で暮らしているおひとりさまに必要なものは、一言で言えば『ケア』である。」[8]と言っている。健康志向というより、これからの市場は団塊ジュニアがリタイアし、「ケア」をターゲットとした新たな市場が創成されようとしている。

『ケア』とは、「ヘルスケアであり、その基本は食生活である。」[9]という。特に中高年男子は外食依存が強くなり、コンビニエンスストアを利用する傾向が高まってきている。言い換えれば、食生活が、外食や調理食品に依存する傾向が進んでいるということであり、家庭で食事を作るという傾向が少なくなりつつあるという。
同時に、高齢化社会の進展により、スーパーマーケットなどにおいて食材を購入するより、調理食品や外食に依存する傾向がますます高まってくる。しかも、若い世代においてもこうした傾向が進んでおり、ましてや、共働き、小さい子供のいる家庭では、買い物労働は大きな負担となっている。食品スーパーマーケットをはじめとして、コンビニエンスストア、外食産業にまで、宅配ビジネスが浸透し、電話やネットで、商品を購入する傾向が進んでいる。

高齢者においても、ネット社会を体験してきた世代が多くなり、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを利用する事に慣れてきた世代は、ネットビジネスやO2Oといった、リアル店舗だけではなく、バーチャル店舗を利用する世代も多くなっている。勿論若い世代においては、スマートフォンは手放せないツールとなっており、リアル店舗に出向くことが少なくなる傾向もある。また、リアル店舗では、商品を見て確認するだけで、実際の購入は後でネットによって比較しながら購買することも多くなっている。
ネットスーパーも、新たなビジネスとして、消費者に訴えかけているが、大手スーパーなどにおいては、自社配送システムの構築はなんとか立ち上げることができても、個々の店舗での会員登録数がどこまで広がるか課題もある。そのコストパフォーマンスのための環境整備のコストが大きい上、会員獲得や配送体制の構築に課題が大きく、中堅以下の食品スーパーマーケットなどにおいては、システム構築に過大な負担がかかり、住友商事系の「サミットネットスーパー」が撤退するなど、ネットスーパーのあり方にも、生鮮食品を中心とした利用や毎日配送するための仕組みに限界があり、問題点が浮上しつつある。

生協や宅配業者のように、週1回とか、配送頻度を限定したビジネスならともかく、毎日生鮮食品を含めて配送するとなると、運営に関する課題は大きくなる。レトルト食品や冷凍食品など加工食品を中心とした生協などはまだしも、生鮮食品を毎日配送するとなると、その管理や配送システム、決済業務、返品処理などについての課題も大きい。

コンビニエンスストアにおいても、最近は、高齢者や主婦のとり込みを狙って、生鮮食品や惣菜などの取扱いを強化し、食品スーパーマーケットの顧客をとり込んでいる。このように、食料品や日用品を中心としたスーパーマーケットやコンビニエンスストアではネットスーパーへの取り組みを強化し、宅配システムの構築や配送企業との連携を高めることによって、高齢者、単身世帯、子供のいる世帯などへターゲットを当てたマネジメントに、積極的に取り組み、販売システムの多様化を進めている。

  顧客のニーズに対応したマネジメントの再構築

百貨店や大規模小売店舗などをはじめとして、衣料品・ファッション商品や耐久消費財、日用品雑貨専門店などにおいても、これまでのように買い回り商品や趣味の商品・耐久消費財を店頭で販売するというリアル店舗と、ネット上でのバーチャル店舗との融合も始まっており、チェーン店舗だけでなく、商店街の専門店などにおいても、バーチャル店舗を出店したり、異業種間で提携したネットビジネスも浸透しはじめている。

スマートフォンやタブレットの普及は、消費者の購買行動を多様化させて来ており、顧客の囲い込みや個別対応型マネジメントに対する新たな取り組みが進んでいる。しかし、このような販売方式の多様化にもかかわらず、消費傾向が低調である要因として、消費を牽引してきたミドル女性の消費傾向を三浦展は、次のように指摘している。「いくつかの食品などが伸びている以外は、物の消費はほとんど伸びていないというのは非常に大きな特徴である」[10]としている。「一方消費の対象はサービスに向かっている」[11]とも指摘している。

地域社会は希薄になってきており、コミュニティが欠如している。このような環境の中で、消費ビジネスに課せられた課題は、「買い物弱者」(買い物難民とも言われている)と言われる人々に対する対応であるといえよう。「生活に必要なサービスを受けたり(買い物を)するのに困難を感じる人たち・・・・・中略・・・・・高齢者を中心に全国で約600万人いると推定されています」(経済産業省)[12]という。

買い物弱者とは、「自宅から10分以内の距離に生活に必要なものを買うことができる商店が無い」[13]地域で生活している人々であるというが、この背景には「鉄道の登場により街道沿いから駅前商店街へ、モータリゼーションにより郊外ショッピングモールへ、単身世帯や深夜生活者の増加により近隣コンビニへと商業の主役がうつり変わってきた変遷は、消費者の交通手段や生活スタイルの変化なしには語りえない」[14]と指摘していることからも、課題は浮上している。
このうな環境に対応するマネジメントとして「宅配」「移動販売」「店舗との交通機関の整備」など、新たな販売方式が求められている。一方では、若い世代やインターネット社会に活動している熟年世代の利便性を考慮したネットスーパーやO2Oビジネスなどへの対応、システム構築が課題となっている。

この実現には「消費傾向に対応した流通戦略」、「顧客との接点の強化」購買傾向と購買手段への変化に対応したマネジメントの構築が望まれる。顧客のニーズの多様化、購買傾向の個性化など、消費者は、個々に求めているモノやサービスが異なる社会においては、個別対応型個客情報システムの再構築が求められている時代と言えよう。

筆者は、予てより「顧客情報管理システムの再構築」を提唱しているが、消費者の個性化、購買方法の多様化などから、これに対応した、小売業・サービス業のシステム再構築と顧客のニーズを個々の見つけ出す仕組みが構築されなければ、消費者の購買傾向の変化と店舗の選択に対応できなくなるであろう。
顧客は自分の好みや欲求によって、自由にリアル店舗やネットワークの中で商品を探し、購買行動を加速化している。このような顧客のニーズを的確に把握し、商品の提案、サービスの提供、情報提供など、的確な対応がニーズの異なる顧客に対して個別に提案できなければ、企業競争に生き残れないことも現実の問題として浮上ししつつある。

勿論、全てがネットビジネスに取り込まれるわけではないが、先にも触れたように、買い物弱者に対応した販売ビジネスなど、小売企業の原点に戻った、きめ細かなマネジメントへの対応が重要であり、そのために、顧客の顔の見えるマネジメントが求められる。

ビッグデーターベースの構築により、顧客との接点を強化し、時系列データの多次元分析、データマイニングできる仕組みを構築することによって、顧客の購買傾向、ニーズの変化に対応したアプローチの仕組みを作り上げると同時に、こうした商品を提供する側でもネットワーク社会の進展に対応した人材育成を進めなければならない。

[1] 「日本の世帯数の将来推計」(全国推計)、国立社会保障・人口問題研究所、2013年1月推計

[2] 「家計調査」、総務省よりカルチャースタディズ研究所作成(日本人はこれから何を買う

か・三浦展著・光文社2013.4)から、

[3]  「生活意識に関するアンケート調査」第59回・日本銀行、2014.9P2

[4]  日経MJ 2014.10.611面「日銀9月調査・個人景況感、一段悪化」より 

[5]  日経MJ 2014.9.29・1面「主婦1000人にアンケート調査」より

[6]  同上

[7]  三浦展、パルコ、三菱総合研究所を経てカルチャースタディ研究所設立、

[8] 「日本人はこれから何を買うか?」、三浦展、光文社新書・2013.4P82

[9]  同上・P83

[10]  「日本人はこれから何を買うのか?」三浦展・光文社・2013.P70

[11]  同上・P71

[12]  「買い物弱者を支えて行くために」経済産業省、2012.12.10P2

[13]  「日本人はこれから何を買うのか?」三浦展・光文社・2013P149

[14] 「地域生活インフラを支える流通のあり方研究会報告書」経済産業省2010P12



3)利益至上主義からの脱却と

顧客価値観の認識

従業員と取引満足の無い企業に顧客満足はない

DSS研究所  飯塚隆司

企業の目的とは何か、利益至上主義の誤り

「企業とは何かと聞けば、ほとんどの人が営利組織であると答える」・・・・「だが、この答えは間違っているだけではなく、的外れである。」[1] と言い切っているのはドラッカーであるが、今企業は如何に売り上げを上げ、利益を確保して、株価を上昇させるかに汲々としている。利益の極大とは“安く買って、高く売る”にすぎない」「利益は企業の活動に都って、目的ではなく、制約条件である。」[2]  利益は企業において重要な要因であるといいながらもドラッカーは利益至上主義は、社会的存在である企業の品性を下落させるだけでなく企業の本来の在り方を阻害することになるということを強調している。

そのうえで、ドラッカーは「企業の目的は、すれぞれの企業の外にある。」「企業の目的のていぎは1つしかない。それは顧客の創造である。」[3]

マーケティングの基本は、かつては、4Pという定義づけによって「Product,Price,Plce,Promotion」の4つのカテゴリーからとらえられてきた。しかし、マーケティングマネジメントの在り方として、消費者の変化、少子高齢化、モノからサービスへとニーズが変化し、その「マーケティング」の概念も「Customer solution, Cost, Conveunience,communcation」というカテゴリーが4C として提唱されている。

すなわち、顧客の抱える問題をいかに解決するか、顧客が納得して支払うコストとは何か、顧客の購買時における利便性をどこに置くか、顧客とのコミュニケーションを通して顧客のニーズ、ウオンツを把握するかということが基本的要因となってきたことを示している。言う企業の目的とは、「顧客の創造」ということの原点にあるものが、顧客指向のマネジメントの仕組みを構築することであるということだ。

ディスカウントしても、顧客は欲しいものでなければ購買行動を起こさない、高価なものでも、欲しいものは購入する。このような消費者行動の背景を把握してマネジメントシステムを構築しなければ、顧客から見放されてしまう。

ドラッカーは、先の「チェンジリーダーの条件」で、繰り返し問いかけている。『我々の事業は何か』としかし、この問いに答えることは「簡単で分かり切ったことはないかに見える。・・・・中略・・・・(その問いに)答えるのが極めて難しい」[4] と指摘している。

 

顧客・消費者の生活実態

「企業とは何か」に応背景にあるのは、「顧客」というキーワードである。「これを証明しているのが消費者運動である。」・・・・中略・・・・消費者運動は、顧客の欲求や現実や勝ちから出発せよと要求する。企業の目的は顧客の欲求を満足させることであると定義せよ」[5] としている。

我が国の企業競争は激化しており、グローバル化が進展している。安い労働力を求め東南アジアに進出する企業が後を絶たない。この結果、国内産業の空洞化を生み始めている。

安倍内閣は、2015630日に「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針、成長戦略)を閣議決定した。これによると「2020年度に財政収支の黒字化」を目指しており、GDPの年間成長率は2%と想定している。そこには「我が国の潜在力の強化」「女性の活躍・教育再生」「まち・ひと・しごとの創生」「安心安全な暮らしと社会基盤確保」などなどの項目がみられるが、具体的にどうするかへの指針は明確に示されてはいない。

いづれにしても経済拡大策と地方再生について、総花的論調は展開されているが、基本的には、大企業が回復すれば中小企業や国民生活にその反映が波及するというこれまでの経済循環論にとどまり、なぜ、バブル崩壊以降デフレ経済が続いてきたかの分析は見られない。潤沢な円を日銀が投入することによって、資金の循環を活発化することを狙っているが、だぶついた資金は拝金主義を助長しているだけで、株価の上昇も企業の実態を反映しているとは言えない。

円安は逆に輸入価格の高騰させることになりを国民生活は、むしろ困窮する傾向にある。円安による海外からの観光客の増加は、必ずしも永続的なものとは言えない。

GDP60%を占めるという消費者の生活はいまだに改善の兆しはなく、格差社会が進展している。実質暦年GDP2014年は、-1%となっており、201513月期においても−0.9%と好転の兆しがあるとは言えない。[6]

厚労省のまとめた国民生活基礎調査[7]では、昭和61年には単身世帯は18.2%であったが平成26年には27.1%に増加、夫婦のみの世帯も14.4%から23.3%と増加傾向にある。また夫婦と未婚の子供のみの世帯が41.4%から28.8%大幅に減少しており、未婚の親と未婚の子供世帯は5.1%から7.1%となっている。核家族化は急速に進んでおり、こうした中で高齢者世帯は昭和61年には6.3%であったが、平成26年には24.2%に増加、急速に高齢化世帯が増加している。ちなみに母子世帯は1.5%、父子世帯は0.2%となっており、国民生活の基盤が大きく変化してきている。(第1表)

このような世帯構成に対して1世帯当たりの平均所得は平成16年には、全世帯で5804000円であったが、毎年減少傾向をたどっており、平成25年には5289000円にまで減少している。高齢者世帯は、平成16年は2961000円であったが平均して300万円前後に推移しているが、平成25年には対前年比で−2.8%となり所得環境は悪化の傾向もうかがえる。児童のいる世帯も平成16年には7149000円となっていたが平成25年には6963000円に減少している。しかし、平均年間所得が400万円以下の世帯は、全体の48.2%に達しており、特に年間100万円以下の世帯が6.6%に達していることは格差社旗が進展していることを伺わせる。平均所得金額の5289000円を下回る世帯は61.2%に達していることも、消費者の購買意欲をすいでいる背景がうかがえる。

 

顧客指向のマネジメントが課題

こうした傾向の中で、企業の在り方が問われている。安く売る事では顧客はついてこない。商品が多く陳列されていれば顧客は選択して購入するということは期待できない。生活水準は低迷している中で、大企業や投資家など一部の一部の消費者の購買は活発化しているものの、安定的購買行動とはいえない。

星野リゾートの社長である星野佳路が監修したファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略[8] で消費者のニーズに応える競争優位の戦略についてまとめている。

冒頭にビジネスの本質について次のように書いている。『ビジネスについて知っているいともりのせいで、刻々と変化する商売の現実からずっと目をそらしていたのだ』[9]と。、そして「史上初めて、企業は商売以外のことをするよう、求められている」[10] 個の低減の初めに、どらかーの言葉を引用したが、今企業にもっとも求められているのは、利益の追求ではなくいかに社会的に信頼される企業となるかということである。

消費者の企業にきたいするものはなにか?、それは常に変化し続けている。しかし、この変化に追いついている企業は少ない。またこれに気付いている人材も限られている。『売り上げや利益がどれほど増えても減っても、、企業の成功は、砂上の楼閣のように危ういということだ』[11] いわゆる優良企業というものは、その企業コンセプトとマネジメントの在り方によって、いつでもエクセレントカンパニーとしての地位から脱落するということである。これは、例を挙げるまでもなく、この間の日本の企業の経営を見てくればわかる。成長企業であり、優良企業であった多くの企業が、精彩をなくしている例は数えきれない。

当初華々しくデビューしたこれらの企業は、新たなイノベーションに挑戦して、その技術的ノウハウや人材をと蓄積してきた。こうした企業のイノベーションが、消費者や顧客ニーズにフィットして、顧客の信頼を得て成長してきた。多くの企業がこうして成長し、日本の産業や社会を支え、顧客の信頼とニーズの応えてきた結果、エクセレントカンパニーとして成長してきたといえる。勿論、大企業に成長しなくても、独自のコンセプトや技術力を蓄積して中小企業としても社会を支え続けている企業も多い。むしろこうしたベンチャービジネスのほうが企業数として数多く存在するといえよう。

言い換えれば、企業のマネジメントの基本は、「顧客の創造である」というコトラーの理念にたどりつく。利益の増加は、顧客の信頼と顧客のニーズに如何に答えるかに尽きる。結果として企業に収益に反映されるというものである。社会の信頼や顧客のニーズに応えることと企業内の人材育成、従業員満足を実現する仕組みこそ、企業の成長の基本なるということを再認識することが課題である。

 

顧客の価値基準に合わせたマネジメントの実現

 フレッド.クロフォード、ライアンマシューズ(著者)が「人間の価値基準=信頼、敬意、正直さ、高潔さ、礼儀、気取らぬ態度ーは銃で高度な社会をつくるのに欠かせない要素だ」[12]と指摘するのは、価値観が見えにくくなっていることから「1人の価値ある人間として認められたい」[13]という消費者の願望に、いかに応えるか、そのためには企業として何をしなければならないか? 先の著者で消費者の立場で考えることを指摘する。「企業はまず、個客や潜在顧客、自社の経営陣と管理職、さらに仕入れ業者の話に耳を傾けなくてはならない」[14] そのうえで、企業の新たなマネジメントの基本要素を5つ指摘している。その要点は次の通りである。

1、 価格の神話=激安価格よりも適正な価格で購入したいという願望があるか

2、 サービスの神話=企業が顧客の求めている基本的、日常的なニーズに応えられないなら、特別サービスなど企業からの押しつけサービスには意味がない

3、 アクセス神話=店舗の立地が良くても店舗内の雰囲気、案内など買い物エリヤの楽しさを重視する。

4、 経験価値の神話=エンターテイメント制や経験から得た評価よりも、顧客に敬意を払い、人として敬意を持って対応されることが重要である。

5、 商品の神話=ブランドや品質だけを強調していても、それだけでは顧客を引き留めることはできない。オムニチャンネル時代においては、その都度、自分の趣味や価値観にあった商品を都度選択して購買行動を起こす。(ファイブウエイ・ポジショニングの要点を筆者がまとめた)

 著者は、この上で、「これまで私たちは、常に年齢や年収など、人口統計上の情報で消費者を分析してきたが、消費者の価値観や消費者が5つの要素のどれを親近感を覚えるか、といった視点で彼らを分析することが必要である」[15] としている。

言い換えれば、価格重視か、顧客のニーズはどこにあるか、店舗の雰囲気か、顧客への敬意とサービス重視か、商品の品質か、といった何を個々の顧客が求めて行動しているかを認識したうえで、顧客への個別対応へのマネジメントと仕組みを構築しなければならないということである。

 顧客の尊厳と言えば、何か大それた認識があるかと思われるが、快適な店舗空間と商品の品質、安心した対応とサービスの充実など、これまで第2次的要素と思われていた要素を重視し、顧客との顔の見えるマネジメントの仕組みを構築することが課題であるといえる。さらにはチャネル戦略をどの様に構築して行くかということである。ネットビジネスとりある店舗の融合による、O2O オムニチャネル構築に対応した美人エス構築が緊急課題でもある。小売業にとっての競争相手は、同業者ではなく、メーカーであり、仕入れ先であり、異業種である。

 顧客のサービス向上と信頼の獲得には何が必要か。著者は先の商売の未来について5つの要素を次のようにまとめている。

1、 価格は、単価ではなく総額である。

2、 サービスは企業が顧客を認識することから、顧客の代理人を務めることである。

3、 アクセスとは店舗の場所と店舗内のナビゲーションではなくポータルサイトとのリンクである。

4、 商品は、固有の特徴をもつオリジナル性から常にアップグレードしてゆくこと。

5、 経験価値とは、企業が提供する環境への顧客の反応によって顧客の取り込みを図る事から顧客のために環境をカスタマイズする企業力を育成することである。(P349からのアレンジ掲載)

 

この5つのテーマこそ近未来に成長していくための基本的企業理念となるであろう。筆者は、この5つの課題を今後、検証していく必要があると考えている。


[1] 「チェンジリーダの条件」P.F.ドラッカー・上田惇生編訳、ダイヤモンド社・2000年・P27

[2] 「同」P27

[3] 「同」P28

[4] 「チェンジリーダの条件」P.F.ドラッカー・上田惇生編訳、ダイヤモンド社・2000年・P33

[5]  「同」P29

[6] 国民総生産統計・内閣府・2015.6月発表

[7] 平成26年国民生活基礎調査・厚生労働省・2015.7.2発表

[8] ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略 フレッド・クロフォード、ライアン・マーシューズ著・イーストプレス・3013

[9] 「同」・序文・P12

[10] 「同」・P15

[11] ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略 フレッド・クロフォード、ライアン・マーシューズ著・イーストプレス・3013年・P14

[12] [12] ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略 フレッド・クロフォード、ライアン・マーシューズ著・イーストプレス・3013年・P31

[13] 「同」 P31

[14] 「同」 P39

[15] [15] ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略 フレッド・クロフォード、ライアン・マーシューズ著・イーストプレス・3013年 P321

 

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